特集 学校でのICT教育①
記念すべき第一回記事は「学校でのICT教育」特集です。GIGAスクール構想などが注目を集めているなか、教育現場でのICTの実態を様々な視点から考えます。今本当に求められるICT教育のあり方とは。
第一回は「GIGAスクールとiPad」のテーマをお届け。
GIGAスクールとは?
これから何回かに渡って特集する予定のICT。Information and Communication Technologyの略で、情報通信技術のことですね。
ICT関連で最近GIGAスクールという言葉をよく耳にします。
GIGAスクール構想とは、全国一律に学校のICT環境を整備することで「多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させる」という、文科省が出している構想です。(GIGAスクール実現推進本部について:文部科学省)
簡単にいうと、学校の情報化に地域格差をつけないというイメージでしょうか。
具体的には…?
小・中学校の児童・生徒に一人一台の学習端末の支給が一番話題になっている取り組みでしょうか。近所の中学校では一人一台の導入が完了したそうです。私の高校でも、授業でiPadを使うことがしばしばあります。
全国的な進み具合を見てみると、ほとんどの学校で導入が完了しているようです。
やはりiPadが人気か
MM総研の調査によると、導入されている端末の機種は、iPadが最も多いようです。「iPadOSは小学校低学年や特別支援学級、特別支援学校などキーボードレスでの入力活用を想定するケースでの採用が多い傾向にある」と、MM総研は分析しています。携帯端末としてiPhoneを利用している生徒も多いですから、操作や自分の端末との連携も楽なのではないでしょうか。
次に、導入される端末のOSを見てみましょう。Chromebook、iPad、Windowsが三大機種となっています。
調査を行ったMM総研は、大量展開が必要となる地域で、クラウド活用、配備、運用管理、コスト、セキュリティ面で好評のChromebookの支持が集まったと見ています。Googleのクラウドサービスは無料で使いやすいので、クラスなどでのクラウド活用が便利だと私も思います。
iPadでの教育ってどうなの?
iPadやChromebook、Windowsが人気ということがわかりました。
どのOS、機種もいま多くの人が使っているものですね。普段これらを使っているという方もいらっしゃるでしょう。
多くの人が使っているものを使えるようにするのは大事なことだと思います。言葉の教育に例えると、話者が多い英語を学ぶ利点に近いですね。もちろんこういったメリットはあります。
一方で、これらの機種は常にバージョンアップされて、最新が更新されつづけます。最新の機種をいつも学校に配備するのは困難でしょうから、導入された当時の最新機種だけを勉強しても、以降の新しい技術にはついていけないのではないでしょうか。
また、これらの端末は非常に操作性が高く、多くの人に簡単に使いこなすことができます。しかし逆に、これらを使っているだけでは、さまざまな端末に対応できる技術を育成することはむずかしく、子どもたちは情報社会のなかで消費者でしかいられないという考え方もできます。
私は基本的にiPadなどの学習端末の導入には賛成なのですが、これらだけに頼るのはやや問題がありそうです。
ほんとうに必要な端末は?
では、すごい速さで進化する情報通信技術についていける人材を育てるにはどうしたらよいのか。
それにはやはり、基礎が大切です。コンピュータの基礎をきちんと学ぶことで新しいコンピュータに対応できるように訓練することもICT教育の視野にいれるべきだと思います。
そこで、この記事で提案したいのは、ラズベリーパイです。
写真をご覧になって これがパソコンか?笑 と思った方もいらっしゃるでしょう。実はこれ、れっきとしたパソコンなんです!手のひらサイズですが笑
ラズパイは教育用の小型パソコンで、プログラミングや機器の接続などを学ぶことができます。
私も中学校のときにラズパイを利用した自由研究を行ったことがあります。
どのパソコンにも共通する基礎の「しくみ」の部分を理解するのにすごく役立つ端末だと感じました。
まとめ
今回の特集では、GIGAスクールと一人一台支給の学習端末について考えました。
ICTの進化についていくには、現在配備されているiPadやChromebookなどの最新の端末にくわえ、きちんとコンピュータのしくみを理解することも大切です。機種に依存しない情報技術を手にいれられる教育を目指して議論をすすめていくことが大切ではないでしょうか。